加湿器その2。ハイブリッド式加湿器、スチーム式加湿器の仕組みと特徴

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ハイブリッド式(加熱気化式)加湿器、スチーム式加湿器の仕組みと長所短所をご説明させて頂きます。

ちょこっと加湿

  1. 気化式加湿器は非力すぎて部屋全体の加湿には不向きなんですが、例えばオフィスであったり、書斎の机の脇とかに至近距離のスポット加湿器として自然気化式の物を置くと少し心がなごみます。

  2. 私の家は現在ガスファンヒーターと石油ファンヒーターを使って暖房していますから加湿器の必要性は感じないのですが、私の机の脇とヒーターの入った鳥かごの中には自然気化式の加湿器を使っています。

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  4. こちらは交換用フィルタのみなんですが、専用ケース付の商品だと¥1781します。800円払う価値の無いケースですので、お気に入りの器を使ったり百均の器で代用してお使いになって下さい。私も百均の器に入れて使っています(笑)

  5. フィルタも色々なカラーが揃っていますから多少実用性のあるインテリアとしても使えます。

  6. ただ、これはあくまでスポット加湿器であって部屋全体を加湿する能力はありません。部屋全体の加湿をお望みでしたら続きをご覧下さい(笑)

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ハイブリッド式(加熱気化式)加湿器

ハイブリッド式(加熱気化式)加湿器の仕組み

    ハイブリッド式(加熱気化式)加湿器の仕組み
  1. それではハイブリッド式(加熱気化式)加湿器の仕組みを見て行きましょう。その前に、元々「ハイブリッド」と言うのは複数の機能や性質を一つにまとめた物と言う意味ですから、必ずしもこの加熱気化式加湿器だけを指す用語ではありません。実際に加熱超音波式の加湿器等もあったりするのですが、業界の慣例としてこの加熱気化式を「ハイブリッド式」と呼んでいますのでそれに倣います。

  2. さて、ハイブリッド式なんて言うと凄そうに聞こえますが、ご覧の様に気化式に電気ヒーターを取り付けただけのシンプルな構造です。ただ、この電気ヒーターを取り付けた事で気化式の多くの欠点が改善されています。

  3. 真冬にドライヤーで髪を乾かす時に冷風のみを使うのが気化式で、温風を使うのがハイブリッド式だと言うと両者の違いが分かりやすいと思います。温風を使う事で早く乾き(気温湿度の影響を受けにくく加湿量が多い)、髪も冷たくなりません(排気が冷たくない)。

  4. 反面、ヒーターを使っただけ電気代がかかります。

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ハイブリッド式(加熱気化式)加湿器の長所

    ひなたぼっこ
  1. ハイブリッド式加湿器の長所は、何と言っても温風を使う事で気化式加湿器の致命的な欠点のいくつかが改善された事です。

  2. 気化式の場合は温度20度以下ではほとんど役に立ちませんでしたが、ハイブリッド式では大きく改善しています。湿度50%以上でも一定の加湿能力が期待出来ます。つまり、日常的な環境下で必要量の加湿能力を持っていると言えます。やっと実用的な加湿器が登場したと言う事ですね。

  3. また、排気に冷風が吹き出すと言う欠点も改善されています。必要な気化熱はヒーターから供給されますので空気の熱を奪う必要がありません。温風が吹き出す訳ではありませんが、冷たさを感じる事はないでしょう。

  4. ハイブリッド式加湿器は気化式の改良型と言う位置づけですから、純粋な長所と言うより気化式の短所を改善した物とお考え下さい。

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ハイブリッド式(加熱気化式)加湿器の短所

電気代がかかる

    電気代
  1. ハイブリッド式加湿器は気化式加湿器の短所を改善した物ですが、その改良のために電気ヒーターを搭載しました。そのおかげで電気代が余計にかかるようになりました。なかなか上手く行かない物ですね(笑)

  2. ただ、このヒーターは常時作動している訳ではなく、一定の湿度に達すると自動でオフになりその後は気化式加湿器として動作します。また、メーカーや機種によってはヒーターのオンオフを設定出来る物もあり、その場合は使用者の任意でハイブリット式と気化式を使い分ける事が可能です。

  3. この場合は電気代を大きく節約出来ます。その代り排気から冷風が出ますが(笑)

  4. 何よりも電気代が気になると言う方は、この切り替え可能なタイプをお選びになると良いでしょう。

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メンテナンスの面倒さ

    メンテナンスが面倒
  1. 電気ヒーターを使う事で加湿能力自体は大きく改善したのですが、このお手入れが面倒な部分は何一つ改善されていません。つまり、この点に関しては気化式加湿器と全く同じだと言う事ですね。

  2. 気化式、あるいはハイブリッド式を二階の窓から投げ捨てる皆さんは、このメンテナンスに嫌気がさして他方式に移るケースが多いです。どれだけマメに掃除をしてもフィルタには必ずカビが生えますし、ちょっと手入れをサボったら加湿器から異臭が発生します。湿度も上がれば血圧も上がるって事ですね(笑)

  3. もうこれだけは「加湿フィルタを使う」方式の宿命だと思ってあきらめる以外にありません。完全に汚れを無くす方法はありませんから、異臭が出ない程度に抑える方向でお手入れするしかありません。

  4. それだけ家電で水を扱うのは厄介だと言う事です。白物家電が扱う材料の中で腐るのは水だけです。洗濯機の場合は洗濯終了時に全て排水してしまいますから大事にはなりませんが、それでも洗濯槽の裏側にはカビが生えたりします。

  5. それなのにタンクに水を貯め置いて、さらに給水が面倒だからと言う理由で何日も使える大型タンクを選んだ場合は水が腐る確率は跳ね上がります。水をサバに置き換えると良くお分かりになると思いますが、大型タンクと言うのは大量のサバを常温で保存しようとするのと同じなんです。

  6. 楽をしたいと言うのは一つの見識ですが、それには対価が必要になります。ハイブリッド式をお選びになった皆さんは電気代を抑えたいと言う選択をした筈です。その対価として面倒なお手入れが必要なわけですから、こちらを投げです訳には行きません。

  7. 対価を支払わなければ、もれなく悪臭と言うペナルティーが科せられます(笑)

  8. ですが、お手入れが嫌なら電気代と言う対価を支払わなければなりませんよ(笑)

  9. 何れを取るかは皆さん次第です。

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ハイブリッド式(加熱気化式)加湿器のまとめ

    SHK50JR
  1. ハイブリッド式加湿器は気化式の欠点を改良しただけに実用性は高いです。但しそれは加湿能力の点に限っての事です。加湿フィルタを使う方式上、面倒なお手入れからは逃れられません。その代りスチーム式よりも電気代は安く済みます。

  2. 衛生面を考えると超音波式はお勧め出来ませんし、能力面で気化式も特殊なケースを除いてお勧め出来ません。そう考えると一般家庭での選択肢としてはこのハイブリッド式と後述するスチーム式から選ぶしかありません。

  3. スチーム式には電力消費が異なる4タイプあるのですが、このハイブリッド式を含めて言えるのは電気代とお手入れの手間は反比例すると言う事ですね。つまり、楽をしたいなら電気代を多く払い、電気代を節約したければ面倒なお手入れをするしかありません。

  4. ですから、コストを重視される方はこのハイブリッド式とスチーム式の4タイプを比較した上で、電気代とお手入れの手間が釣り合る物をお探しになる事です。どれが釣り合うのかは人によって違いますから、ご自身で判断される必要があります。

  5. それ以外、例えば小さなお子さんがいらっしゃるご家庭の場合は、ハイブリッド式なら排気が熱くありませんし湯を沸かしませんから事故になる確率は低いです。スチーム式の全てが熱湯を使う訳ではありませんが、ハイブリッド式は空気を温めるだけで水を加熱しませんから比較的安全です。

  6. 何でも触りたがる小さなお子さんがいらっしゃるご家庭はこちらのタイプをお選びになると良いでしょう。

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スチーム式加湿器

始めに

    XQK-Q030
  1. スチーム式加湿器とは水を沸騰させて発生した蒸気を利用して加湿する方式なんですが、家庭用加湿器では現在4つのタイプが発売されています。この4タイプは一口でくくるにはメカニズムがかけ離れていますから個別に見て行きたいと思います。

  2. 全て蒸気を使って加湿しますが、それぞれ消費電力も異なればお手入れの手間も大違いです。よく考えずに選ぶと後で後悔する事になりますから、それぞれの長所短所をしっかり見ておいて下さいね。

  3. また、単純に発生した蒸気を放出する物と、ファンを使って一旦冷却して放出する物とがあります。後者の場合は吹き出し口から出る蒸気は熱くないのでヤケドのリスクは低いですが、対価として若干電気代が上がります。ご家庭の環境から有利な方をお選び下さい。

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スチーム式加湿器(ポットタイプ)の仕組み

    スチーム式加湿器(ポットタイプ)の仕組み
  1. こちらが一番スタンダードなタイプです。その名の通り電気ポットから給湯口を取り外した物とお考え下さい。実際に魔法瓶メーカーの象印なんかが発売しています。

  2. 電気ポットと同じく、タンクの水を全て沸騰させてお湯にして加湿するのが大きな特徴です。そのために放出する蒸気はもちろん、タンク内部の水も全て煮沸消毒済みになりますから最も衛生的な方式になります。ですからお手入れも非常に楽なのが特徴です。

  3. また、放出するのは高温の蒸気ですから、副次的な効果として室温を上げる効果もあります。若干の暖房費の節約になります。

  4. さらに加湿力も全ての方式の中で最強です。氷点下だろうと湿度90%を超えようと、稼働させれば確実に加湿します。リビングを浴室並の湿度にする事も可能です。まあ、したがる人はいないでしょうけど(笑)

  5. 反面、全ての水を沸騰させるだけに電気をバカ食いします。使い方にもよりますが、24時間稼働だと1シーズンで本体が1台買える程度のコストがかかります。

  6. また、吹き出し口からは沸騰した蒸気が放出されますからヤケドの危険性があります。さらに転倒した場合は中には熱湯が入ってますのでこちらも危険です。

  7. この電気代とヤケドのリスクが無ければ万人にお勧め出来る方式なんですが、残念ながら対価が文字通り高くつくのが難点の方式です。

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スチーム式加湿器(ポットタイプ)の長所と短所

長所

    EE-RH50
  1. スチーム式加湿器(ポットタイプ)の長所は、何と言っても全方式中で最も清潔であると言う事ですね。加湿に使うのはお湯ですから全て消毒済みになります。高温耐性があるレジオネラ菌も100度のお湯の中では生存出来ません。ですから、カビや雑菌の心配は不要になります。

  2. また、全方式中最もハイパワーなのがこの方式です。室温が低かろうと湿度が高かろうと、沸騰した湯気を放出しますから環境に全く影響されずに即座に加湿する事が可能です。築古年の木造住宅など気密が低くて室内に外気が入り続けるお宅だと、他方式の加湿器ではパワー不足で満足な湿度を維持できない場合があります。そうした場合はこちらの方式をお選びになるのが無難です。

  3. さらに全方式で最もお手入れが楽なのもこの方式です。タンク内の水は全て煮沸消毒済みですからカビやヌメリは発生しません。加湿フィルタも使いませんから面倒なフィルタのお手入れも不要です。唯一の問題はスケールですが、タンク全体を加熱しますから沸騰蒸発によるスケールの濃縮率が低いので大した汚れになりません。

  4. 通常のお手入れは給水の際に一旦タンクを空にして、タンク内部をさっと乾拭きするだけでOKです。稼働時間にもよりますが、通常はこれに1シーズンに1~2回クエン酸によるスケール除去を行うだけで十分です。

  5. こんなにお手入れが簡単な加湿器は他にありません

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短所

    お金がかかる
  1. スチーム式加湿器(ポットタイプ)は最も清潔で、最もハイパワーで、最もお手入れが楽と言う三冠王だけに、支払わなければならないギャラも最も高額になります。頭の痛い所ですね(笑)

  2. 一番は電気代、稼働時間にもよりますが月に数千円のコストがかかります。ただ、交換フィルタも消毒剤も必要としませんから、一般にイメージされるほど他方式との差額は大きくありません。また、毎日、毎週のメンテナンスの手間をコスト換算するとその差は大きく縮まります。人によったらこちらの方がお安く感じる方もいらっしゃるでしょう。

  3. もう一つはヤケドのリスクが高い事です。吹き出し口から出るのは90度近い高温の蒸気ですので、小さなお子さんや高齢者の方がいらっしゃるご家庭でお使いの際は注意が必要です。また、転倒のリスクもあります。タンク内にはお湯が入ってますし、構造上常時口が開いた状態ですので転倒させた際はお湯がこぼれます。ですから家族構成以外に設置場所にも気を配らねばなりません。

  4. 但し、吹き出す蒸気の問題は消費者庁の通達等から以前よりも改善されて来ています。特にスチームファン式と呼ばれる一部の改良モデルでは吹出す蒸気の温度が大幅に下がり、直に手を触れてもヤケドする心配はなくなりました。これは個々のモデル毎に違って来ますので注意して見て下さいね。

  5. ラストは音の問題です。最近では色々と改善されては来てるのですが、タンクの水が沸騰する際にどうしても沸騰音が出ます。では気化式やハイブリッド式なら音がしないのかと言うとそうでもなく、こちらはタンクの水がトレイに給水される度にボコボコと言う音がします。この音の問題は方式にもよりますが、個々のモデルでも若干異なりますので一概には言えません。神経質な方は寝室に置く場合は注意して下さいね。

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スチーム式加湿器(ポットタイプ)のまとめ

    EE-RH50CA
  1. もし加湿器に「究極の選択」何て物があったとすると、間違いなく例題に上げられるのがこの方式です。

  2. 家庭用加湿器に求められる最高の性能を持っていますが、対価として高額の電気代がかかります。性能を取るか電気代を取るか、あるいは、人によってはお手入れが凄く楽なのを取るか電気代を取るかの究極の二択ですね(笑)

  3. 電気代は気にならないとおっしゃる方や、面倒な手入れなど絶対に嫌だとおっしゃる皆さんはこのタイプを選ばれるのが正解です。他の方式は月に数千円の電気代を節約する代わりに、大きなお屋敷に務める使用人の様に働かなければなりません(笑) 「一家の主がこんな事してられるか!」とか「主婦は家政婦とは違いますっ!」何てお考えの皆さんはこちらを選んで下さい。電気代は加湿器と言う名の使用人の給料です(笑)

  4. 逆に、1円でも節約したいなんて皆さんにとってはこのタイプは鬼門です。加湿器のスイッチを入れるたびに電気料金の請求書がチラついて、やがて加湿する事を節約したくなって来ます。これでは本末転倒ですね(笑) 

  5. きっぱりとこのタイプは諦めて他の方式やタイプをお選び下さい。額に汗して労働する事で電気代は節約出来ます。使い方次第では1シーズンで1万円程度の差額が浮いて来ます。まあ、時給換算にすると泣けて来ますが、春には福沢諭吉が笑顔で出迎えてくれますよ(笑)

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スチーム式加湿器(蒸発皿タイプ)の仕組み

    スチーム式加湿器(蒸発皿タイプ)の仕組み
  1. それでは次にスチーム式加湿器(蒸発皿タイプ)の仕組みを見て行きましょう。ご覧の通り、電気ヒーターで水を沸騰させて加湿すると言う方式は同じですが、タンクの水はそのままに小さな蒸発皿と言う容器の水だけ沸騰させるのがポットタイプとの違いです。つまり、これはポットタイプの改良型と言う事になります。

  2. 一番のメリットは沸騰させるのが蒸発皿の水だけですから電気ヒーターを小型化低出力化出来ます。つまり、それだけ電気代がお安くなると言う事ですね。

  3. ポットタイプはタンク全体の水を沸騰させますから、加湿に絞って考えるとエネルギーロスが出ます。この蒸発皿タイプはそのエネルギーロスを出来るだけ抑えた方式と言えます。

  4. では蒸発皿タイプの大勝利かと言うと、そうは問屋が卸してくれないのが加湿器の難しい所で、省エネになった分の対価を支払わなければならなくなりました。

  5. それがお手入れの手間ですね。このタイプはポットタイプより省エネですが、その代りに皆さんは主人から使用人に格下げになります(笑)

  6. 加湿器は能力やお手入れの手間と電気代は完全にトレードオフです。これに例外はありません。

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スチーム式加湿器(蒸発皿タイプ)の長所と短所

長所

    経済的
  1. スチーム式加湿器(蒸発皿タイプ)の他方式に対する長所はポットタイプ基本的に同じですが、同じスチーム式加湿器のポットタイプより電気代が安い事が挙げられます。

  2. 他にもお湯の絶対量が少ないですから転倒した際にヤケドになりにくいと言うのもありますが、これは結果論であって、転倒の際の安全性を上げるために開発された訳ではありません。あくまで省エネが売りです。

  3. ただ、ポットタイプはタンク内の水を沸騰させるまでは大量の電気を食いますが、一旦温度が上がってからは電力消費は半分程度に落ちます。

  4. それに対してこの蒸発皿タイプは常時冷水が供給されますので電気ヒーター自体は一定の出力で動いています。ポットタイプとはヒーターの大きさ自体が違いますから単純比較は難しいのですが、消費電力を見る限りは沸騰後のポットタイプの消費電力と同等ですので劇的に省エネではありません。

  5. ポットタイプとの電気代の差は、ポットタイプがタンク内の水を沸騰させる時の消費量分のみの節約になります。

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短所

    蒸発皿のお手入れ
  1. さて、確かに加熱のロスは少なく省エネなんですが蒸発皿には一つ欠点があります。それは小さな蒸発皿の水を沸騰させ蒸気を起こす事で、蒸発皿内部にスケールが溜まりやすくなると言う事ですね。

  2. 超音波式とは違い、スチーム式が放出するのは蒸気ですから水道水に含まれるスケールは本体内部に残って行きます。ポットタイプの場合はタンク全体を沸騰させますから、残留したスケールはタンクの内側に薄く残ります。ですから軽く拭くだけで除去出来るのです。

  3. ですが蒸発皿タイプはタンクの全ての水がこの小さな皿の中で蒸発します。つまりタンク内の全てのスケールが小さな蒸発皿の内側に蓄積して行く事になります。これは海水から塩を取り出す濃縮作業と同じですね。水道水のスケールを煮詰めて取り出すのと同じだと言う事です。

  4. そのために本格的なスケール対策が必要になります。ポットタイプが電気ポットと同程度のお手入れで済むのに対して、蒸発皿タイプは毎日蒸発皿を拭いた上で月に1度はクエン酸による洗浄が必要になります。

  5. また、水タンクも加熱しないですからマメな洗浄をしないと雑菌が繁殖します。吹き出す蒸気は煮沸された物ですから安全ですが、放置すると水タンクや本体内部から異臭が発生しかねないのでお手入れは必須になります。

  6. 僅かな電気代を節約しただけでこの有様です(笑)

  7. それでも他方式や次にご紹介する蒸発布タイプよりはお手入れは楽です。まあ、気休めですけど(笑)

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スチーム式加湿器(蒸発皿タイプ)のまとめ

    KA-R50
  1. と言う具合に、この蒸発皿タイプと言うのはあくまでもポットタイプの省エネ改良型であって基本的な性質はポットタイプと同じです。ですからポットタイプの電気代に眉をしかめる皆さんには良いかもしれません。

  2. 但し、節約した電気代と同等、もしくは人によってはそれ以上の対価を支払わなければなりません。ほとんどお手入れ不要に近いポットタイプとは違い、コンスタントなメンテナンスが必要になります。

  3. ただ、加湿フィルタを使わない事から気化式やハイブリッド式に比べればお手入れはずっと楽です。交換フィルタも殺菌剤も要りませんし、スケール除去カートリッジも必須ではありません。それなにり電気代はかかりますが、お安いクエン酸の他には電気代以外の出費は必要ありません。

  4. ですから、ランニングコスト(実費)においては気化式やハイブリッド式とポットタイプのスチーム式の間に位置するのがこの蒸発皿タイプですね。

  5. スチーム式の清潔さやお手入れの楽さは魅力だが電気代の高さを少しでも抑えたいと言う方で、お手入れの楽さの方が捨てがたいとお思いの方にはお勧めです。

  6. 同じく、お手入れは面倒でも構わないが1円でも電気代を安く上げたいと言う方は、次の蒸発布タイプをご覧下さい。

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スチーム式加湿器(蒸発布タイプ)の仕組み

    スチーム式加湿器(蒸発布タイプ)の仕組み
  1. こちらは三菱だけが発売している方式ですが、上の蒸発皿タイプをさらに改良して省エネ性を追求した方式です。

  2. ご覧の通り、円筒形のヒーターに被せた筒状の布に水を吸わせて、その吸い上げた水分だけ加熱して蒸気を発生させます。タンクの水は一切加熱せず最低必要量の水だけ加熱しますから消費電力は大幅に削減されました。消費電力は最大でもハイブリッド式の1.5倍程度にまで下がっています。

  3. では蒸発布タイプの大勝利かと言うと、問屋どころかメーカーだって卸してはくれません(笑)

  4. これはスチーム式ではありますが蒸発布と言う加湿フィルタを装備しています。さらに構造的には蒸発皿タイプに似ていて、タンクの水全部を小さな蒸発布で気化させるためにハイブリッド式の加湿フィルタにスケールが溜まる欠点と、蒸発皿タイプのスケールを濃縮する欠点を併せ持つ結果になっています。

  5. つまり、スチーム式としては電気代が格安な代わりに、ヒーターと蒸発布が物凄く汚れます。

  6. お手入れの手間は使用人レベルから小作人レベルになると言う事ですね。そりゃもう面倒この上ないですよ(笑)

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スチーム式加湿器(蒸発布タイプ)の長所と短所

長所

    さらに経済的
  1. 長所と言う点ではこれは蒸発皿タイプの改良型ですから、蒸発皿タイプの長所を受け継いでいます。つまり、排気が清潔でポットタイプより電気代が安いと言う事ですね。

  2. さらに蒸発皿タイプの省エネ版ですから電気代は大幅に安いです。最大電力消費だとポットタイプの約4分の1程度、通常加湿時でも半分程度で済みます。この程度だと電気代で頭を痛める事も無くなるでしょう。

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短所

    蒸発布のスケール
  1. 電気代の請求書を見て心臓に負担がかかる事は無くなりましたが、お手入れをサボった蒸発布を見ると心臓が止まるかも知れません(笑)

  2. このタイプは構造上、蒸発布とヒーターの間に大量のスケールが溜まります。スケールはミネラル分ですのでその結晶はどんどん成長して行って、放置していれば鍾乳洞のようになってしまいます。

  3. 三菱のお手入れのガイドを見ると、最低でも週に一度は蒸発布を取り外してスケールの除去をしなければなりません。さらに悪い事に、このタイプはヒーター自身が水に浸かっている訳ではありませんから、一旦ヒーターにこびりついたスケールは石の様に硬くなり完全に除去するのは困難です。少しでもお手入れをサボったら取り返しがつかなくなります。

  4. また、電気代こそ安いのですが蒸発布は消耗品で1シーズンに何度か取り替える必要があります。さらにスケールを減らすための専用カートリッジ代もかかりますので、省エネではありますがメンテナンスコストは必ずしも安いとは言えません。世の中にそんなにウマい話は無いと言う事ですね(笑)

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スチーム式加湿器(蒸発布タイプ)のまとめ

    SHE120KD
  1. 蒸発布タイプはスチーム式加湿器の中では最も省電力ですが、その対価として最もお手入れが面倒な上に交換布やスケール除去カートリッジ等の余計な出費が必要になります。

  2. 特にお手入れに関しては少しでもサボると、下手をすると本体を買い替えざるを得ない事になるだけに非常に使う人を選ぶ加湿器です。お手入れが嫌いな方は接待に手を出さないで下さい。とてもじゃないがマトモに維持できません。

  3. 逆に言うと、こうした細々したお手入れが大好きで得意な方には、低ランニングコストで清潔なスチーム式加湿器をお使いになれるチャンスになります。蒸発布もマメにクエン酸につけ置き洗いをすれば延命も出来ますし、きめ細かいお手入れをするほど出費も抑えられます。

  4. 適正条件は非常にニッチな物ですが、我こそはとお思いの方はトライしてみて下さい(笑)

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スチーム式加湿器(電極タイプ)の仕組み

    スチーム式加湿器(電極タイプ)の仕組み
  1. この電極式と言うのは加湿器の歴史の項でお話ししたマックス・カッツマンが発明した方式で、現在ではKaz傘下のブランドVICKSから発売されているのみです。

  2. 原理は非常に単純で、2本の炭素電極の間に電気を流す事でジュール熱を起こして水を沸騰させて加湿します。普通の水に電気を流しても簡単には流れませんから触媒としてタンクの水に塩を加えます。この塩加減によって加湿量も変化します。

  3. 構造的には電気ヒーターの代わりに電極を使うと言う以外は蒸発皿タイプに近い物ですが、蒸発皿を持ちませんので性格的にはポットタイプと似ています。総合すると両者の中間的な存在ですね。

  4. つまり、お手入れは定期的に電極を掃除するだけで済みますが、消費電力は結構高めです。使い方次第ではポットタイプより電気代がかかる場合もあります。

  5. 良くも悪くもアメリカンな方式です、つまり細かい調整が出来ないアバウトな機械でランニングコストよりメンテナンスコストの軽減を重視します。

  6. 節約志向の方がお買いになると、翌月には2階の窓から放り投げる事になりますので注意して下さい(笑)

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スチーム式加湿器(電極タイプ)の長所と短所

長所

    V105CM
  1. 電極タイプの一番の長所は構造が単純で部品代も安い事から商品単価が安い事です。実売価格2千円台で6畳間の加湿が出来るのは超音波式とこのタイプぐらいでしょうか。衛生面の問題を考えると超音波式はお勧め出来ませんから、ともかく安く清潔で安全な加湿器が欲しいと言うのならこのタイプになります。

  2. 但し、ランニングコストは決して安くありませんのでご注意を(笑)

  3. また、スチーム式の中では非常に静かなのも長所です。ジュール熱を使った部分沸騰ですから大きな沸騰音がありません。またタンク自体に電極を差していますから、給水の際のボコボコ音もしません。

  4. もう一つは、これは方式と言うよりモデルの特徴なんですが、このVICKSの加湿器はタンクが3L前後と大きいので1日に1度の給水で済む利便性があります。国産モデルはコンパクトな反面、何度も給水しなければならないために物ぐさな方にはこちらの方が向いているかもしれません。

  5. 最後は長所と言えるのかどうか正直微妙ですが、そのユニークなデザインがあります。国産加湿器だと死んでもやらないようなデザインです。普通の物は嫌いだと言う方はお気に召すかもしれません(笑)

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短所

    V80N
  1. この方式の短所としてはタンクの底まで電極を届かせる必要から、タテに深いタンクを使えない事ですね。ですからどうしても平べったいデザインになります。またサイズの関係から家具の上に置くのも難しいです。床に直置きで使うしかありません。

  2. また、電気代もかかります。センサー類を装備していませんからコンセントを差し込んでいる間は水が無くなるまで加湿し続けます。最大消費電力はポット式よりは安いですが連続稼働によりトータルではバカにならない金額になります。油断してると請求書を見て青ざめる事になります(笑)

  3. それ以外は方式と言うよりVICKSモデルの特徴になりますが、シンプルなのは良いのですがセンサーやタイマーはおろか一部のモデルはスイッチすら付いていません。コンセントを差し込むと作動、抜くと停止すると言う前時代的な機械です。国産家電の感覚で購入すると面食らう事になります。

  4. また、きめ細かいお手入れは必要ありませんが、炭素電極の手入れは一部の部品を分解しなければなりませんからそれなりに面倒な上に手が汚れる作業になります。何れにせよ基本設計がかなり古い物だけにレトロ家電を扱う感覚で使わないと不満が溜まるでしょう。

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スチーム式加湿器(電極タイプ)のまとめ

    V165CM
  1. 電極タイプは構造がシンプルでそれなりに長所もあるのですが、大正時代に開発された方式だけに利便性で劣る部分も少なくありません。また、加湿を制御する機能が無く、放置していると過加湿になるだけでなく電気代も余計にかかります。

  2. 他方式やタイプに無いユニークな構造とデザイン性はそれなりに評価出来ますが、実際はレトロ家電の類であって非常に趣味性の高い加湿器です。不便で電気をバカ食いする事を承知でお使いになるのなら構いませんが、純粋に湿度コントロールの装置としてお買いになりたいなら他タイプや方式の物をお選びになるのが賢明です。

  3. 一言で言うと、物凄く不便な加湿器ですよ(笑)

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