始めに
東芝もかつては白物家電の東の雄として君臨していたのですが、最近では見る影も無くなってますね。特にイメージが大切な調理家電では「美味しい」と言うブランドイメージを作り損ねて苦戦しています。
そんな中、一人気を吐いているのが「石窯ドーム」のオーブンレンジシリーズです。
他メーカーが時代遅れのカタカナネームにこだわっている中で「石窯」なんてストレートなネーミングが功を奏したのか、はたまた下手な小細工に走らずにコンベクションオーブンとしての基本性能を磨いた事が良かったのか、消費税増税前の3月には品切れが続出する人気商品になりました。
まあ、売れ筋商品が在庫切れになると言うのは、それはそれで問題があるのですけど(笑)
そのアバウトな生産計画が災いして春には在庫切れで高騰していたのですが、今ではすっかり値崩れして春より1万円以上値を下げた商品もあります。
マスコミに踊らされて春にお買いになった皆さんはご愁傷様です。今なら同じ値段でワンランク上のモデルが買えますね(笑)
さて、そんな訳で、春にじっと我慢して来られた皆さんは収穫の時です。今なら納期が遅れる事もプレミアが付いて吹っかけられる事もありません。しかも今年はどのメーカーも早めに新型を投入して来ましたから、7月には多くのモデルが型落ちになってしまいます。
向こうから、カモがネギを背負ってやって来ましたよ。
皆さん、鍋の用意はお済ですか?(笑)
2013~4年製東芝の電子レンジ・オーブンレンジ
2013年モデルの特徴
始めに
石窯シリーズと言えばドーム型の天井が特徴なんですが、このシリーズの一番のウリはオーブンの温度を350℃まで上げられる事ですね。他メーカーが250℃や300℃程度しか上がらない中で東芝だけがこの温度を達成しています。この事がパンやお菓子作りがお好きな奥様方の評判を呼び、それが口コミで広がって高い評価に繋がっています。
ただ、この350℃を維持出来るのはたった5分で、それ以降は250℃までしか維持出来ません。しかもこの数値は東芝が自称しているだけで、実測すればもっと低くなると思います。但し、これは他メーカーも同様です。レンジのモニターには数値が出ていますが、これがそのまま庫内の温度である保証はどこにもありません。
最初にお話しした様に、オーブンレンジも炊飯器と同じ様に100V1400Wの電力上限が足枷になって慢性的な火力不足に苦しんでいます。さらにサイズやコストの制約から十分な断熱、密閉、廃熱の処理が出来ませんから高温を維持するのが困難になっています。
そんな中で石窯シリーズはある意味オーブン機能に特化したレンジと言えるかもしれません。オーブン能力はスペックだけなら優秀なんですが、他の機能を含めてトータルで優秀と言う訳ではありません。
つまり、単に「売れてるから」とか「評判が良いから」なーんて理由でお選びになると、後で憮然とする事にもなりかねません。
オーブンレンジは様々な制約により器用貧乏に終わってしまう宿命があります。その中で各メーカーはどれかの機能に絞って、そこに重点的にリソースを振り分ける事で差別化しようとしています。シャープならスチーム機能、そして東芝ならオーブン機能ですね。石窯ドームは売れ筋ですが、オーブン機能を重視しないなら選ぶ理由はありません。
オーブンレンジはどれが良いかではなく、何を望むかでお選びになって下さいね。

石窯ドーム
こちらが看板の石窯ドームですね。ただ、名前こそ石窯ですが、別に天井に石板を貼ってある訳ではありません。筐体は鉄製で表面にテフロン加工がされています。そのコーティングに微量のセラミックを混ぜているのだと思います。要はフライパンや炊飯器の内釜と大して変わりません。
東芝は遠赤外線ガーとか訳の分からない供述をしていますが、セラミックの蓄熱性はその質量に比例しますから、仮に小さじ1杯程度のセラミックを吹き付けたとしても石窯ドームが他メーカーの物より有利になるとは思えません。単なる印象操作の類でしょう。
それはドーム構造にしてもそうですね。ピザ焼き用の石窯の天井がアーチ状になっているのは、単に耐火煉瓦を積み上げて天井を作る際に天井が簡単に崩れない様に力学的な配慮をしているからであって、別にそれが調理に有利になるからではありません。
さらにドーム構造だから熱風が循環しやすいみたいな事を言っていますが、流体力学と言うのは庫内の角を無くしたから風がクルクル回るなんて単純な物ではありませんからこれも印象操作でしょうね。もし天井をドーム構造にすると熱風の循環が有利になるなら、今頃世界中のコンベクションオーブンの天井はドーム型になっているでしょう。まあ、そんなもんですよ(笑)
つまり石窯ドームと言うのは、単に天井をアーチ状にした平凡なコンベクションオーブンであってそれ以上でも以下でもありません。
逆に、その平凡な石窯ドームが優れているのは最高温度です。たとえ5分程度しか維持出来ないとしても、他メーカーのレンジより50~100℃上回る最高温度は調理の種類によっては大きなアドバンテージになります。過大な物は抑えれば済みますが、足りない物はどうする事も出来ません。火加減と言うは調理の要ですからね。
火加減一つで焼き上がりに大きな差が出るパン焼き等で、この石窯ドームの評価が高いのはその辺りの理由でしょうね。
さて、ここからが重要です。しっかり目を見開いて読んで下さいよ(笑)
石窯ドームシリーズの長所は最高温度の高さです。それ以外は特に良い所はありません。つまり、最高温度350℃に達する上位2機種は価値がありますが、普及価格帯の物は名前こそ「石窯ドーム」ですが安い以外に何のメリットもありません。「評判の石窯ドームを買ったぞ」と言う自己満足以外何も残りません。
パッとしないオーブンレンジが1台残るだけですね(笑)
ヘルシオの時にもお話ししましたが、こうした何かに特化した物、あるいは特定機能に力を入れて作られた物は迷わず上位モデルをお選びになって下さい。石窯ドームシリーズの魅力はオーブン機能ですが、そのオーブンの能力が低ければ何の取り柄もない商品になります。
「いや、そんな事は分かっているけど予算が…」とおっしゃる方、分かってないですよ(笑)
もう一度この350℃のオーブンが必要なのか考えてみて下さい。本当に必要なら選択肢なんぞありません。100万200万すると言うのならともかく、10万弱の商品ですからお金を貯めて買うだけですね。1年貯めれば買えるでしょう。
そこで躊躇するのならそれほど必要ではないと言う事です。
「同じ買い替えるのなら良い物を…」なんて理由で悩んでおられるならキッパリお止めになる事ですね。石窯ドームは300℃のオーブンで何回焼いても綺麗に焼けずに業を煮やした人が、最後の拠り所にするオーブンレンジです。これより高温設定が可能なのはガスオーブンか200Vの業務用の物しかありません。
100Vで使えるなら少々の出費は惜しくないと考える皆さんの為にあります。
「350℃のオーブン」これが石窯ドームのレーゾンデートルです。これが無ければわざわざ選ぶ意味がありませんよ。
大体、東芝のオーブンレンジは全て中国製で初期不良や故障の話が絶えません。さらにサポートの対応はお役所的で「迅速」とか「誠意」とかと無縁の評判の悪さです。
その艱難辛苦を乗り越えてでも、パンを美味しく焼きたいとかクッキーを綺麗に焼き上げたいなんて皆さんの為にあるのがこの石窯ドームシリーズです(笑)
修羅の道を歩む覚悟が出来た皆さんだけお選びになって下さい(笑)

8目スイング赤外線センサー
こちらはパナソニックと同じ様な物ですね。8眼の赤外線センサーが食材をスキャンして表面温度を測定する事で加熱量を調整します。電子レンジの温めや解凍時に使います。
赤外線センサーが検知出来るのは表面温度だけですから分厚い物や深い容器に入った物の温めは苦手としています。例えば陶器のマグに入れたミルクなんかがそうですね。対流によって上部が温かくなると、赤外線センサーは全体が温まったと判断して過熱を停止してしまいます。実際は各メーカーが専用メニューを用意して対応していますから極端な加熱ムラは起きませんが、こうした点が赤外線センサーの弱点になります。
逆に、赤外線センサーが得意としているのが解凍ですね。例えばマグロのサクを半解凍する時には蒸気センサーではマトモに対応出来ません。何せ湯気が上がりませんからね(笑)
解凍にせよ半解凍にせよ、赤外線センサーの場合は実際に表面温度を測定しますから解凍精度は高くなります。但し、これは食材が薄い場合ですね。食材が厚過ぎると表面と中心とでは解凍度が大きく違って来ますから誤差が出てしまいます。お肉などを冷凍する際は面倒臭がらずに薄くまとめて冷凍するのが美味しく解凍するコツになります。
さて、この8目スイング赤外線センサーは上級モデルのみに搭載されている高性能センサーなんですが、パナソニックの新型は64眼赤外線センサーを搭載し「8眼センサーで出ていた加熱ムラが無くなりました」なんて厭味ったらしく宣伝しています(笑)
これには東芝もカッと来たのか新型のカタログでは「当社のセンサーはスイング1往復で1024ヶ所の温度を測定出来ます」なーんてやり返していますね(笑)
その内にデジカメのピクセル競争みたいになるかもしれませんね(笑)
まあ、センサーの場合は細かくスキャンすればするほど精度が上がるので間違ってはいないのですが、センサー自体はオーブンレンジの一つのパーツに過ぎず、これだけ高性能でも全体の能力のバランスが悪ければ真価は発揮出来ません。
メーカーは自分達に都合の良い事実は大々的に宣伝しますが、都合の悪い事実はひた隠しにします。スペックのチェックは大事ですがあまり細部に囚われ過ぎると全体を見失ってしまいます。
皆さんが一番重視する機能は何なのかよく考えて選んで下さいね。

過熱水蒸気・スチーム機能
石窯ドームと言えばオーブン機能なんですがスチーム機能に関しても標準的な装置が搭載されています。東芝は過熱水蒸気の最高温度が400℃なーんて自慢していますが、これは蒸気吹き出し口で測定した物ですから食材に達した時点で大きく下がっています(笑)
まあ、こんな詐欺まがいの表現を使う時点で過熱水蒸気ユニットの性能がどんな物か察しは付くでしょう(笑)
過熱水蒸気に関してはどうしてもシャープに一日の長がありますね。別に東芝のユニットが駄目だと言う訳ではありませんが、東芝のウリはコンベクションオーブン機能ですからスチーム機能に関してはあまり多くを望まない方が健康のためになります。何せ、血圧を上げずに済みますからね(笑)
本当なら全ての機能に秀でている物が一番なんですが、残念ながらそんな物はありません。これはメーカーの職務怠慢ではなく純粋にスペース上の制約のためです。
現状のオーブンレンジのサイズの中に優秀な電子レンジと優秀なオーブンと優秀な過熱水蒸気ユニットを組み込む事は物理的に不可能です。現状ではどれかを生かすにはどれかを殺すしかありません。ですからオーブンレンジ選びのポイントは「どの機能を重視するか」この1点で決まります。
東芝のオーブンレンジの過熱水蒸気・スチーム機能は標準的な物、つまり凡庸な物ですね。悪くはありませんが良くもありません。
過熱水蒸気を使った調理を重視するならヘルシオをお選び下さい。
但し、電子レンジとオーブン機能はアレですけど(笑)

お手入れ、使い勝手
お手入れ関係に関しても業界標準の機能を搭載しています。汚れが付きにくいコーティングとスチームを使って汚れを浮かすコース、さらに脱臭用の空焼きコース等ですね。これだけあればお手入れに関して難儀する事はないでしょう。
また、表示系に関しても上位モデルはバックライト付きのホワイト液晶を採用するなど視認性も向上しています。
前から思っていますが、このバックライトに関しては上位モデルだけでなく普及価格帯のモデルにも標準装備をして欲しいですね。キッチンは明るい部屋が多いですから、光等の角度によってはバックライトなしでは文字盤が読めない事も多いです。
コストダウンも大事でしょうが、調理機能ならともかく安いモデルではまともに表示が読めないと言うのは欠陥と言っても良いでしょう。これじゃあ、安いテレビはチャンネル操作が出来ないと言うのと同じですよ(笑)
もしこのブログをご覧のメーカーの方がいらっしゃいましたら、この惨めったらしい表示系だけはすぐにでも善処して欲しいですね。最新の液晶パネルより30年前の蛍光表示管の方がずっと見やすかったなんて、家電メーカーとしたら恥ですよ。
根本的にコストダウンに対する考え方を見直す時期なんじゃないでしょうかね?

タイアップ(笑)
以前はこの手のタイアップ企画はパナソニックなんかが得意としてたのですが、長引く家電不況の影響か最近はあまり見なくなりました。金で雇ったお米マイスターに炊飯器の太鼓持ちをさせるくらいですかね(笑)
で、このプロモーション、私は良いと思いますよ。
高級レンジとか高級炊飯器とかは店頭でどれだけ撫で回したって味の良し悪しまでは分かりません。炊飯器の場合は試食すれば味の見当は付きますが、オーブンレンジに関しては仕込みの段階から奥様方ご自身でやらねばなりません。それを実際に習いながらレンジの使い方まで習得出来て、当然の事ながらお料理の出来上がりも評価出来る訳ですから渡りに船です。
これで東芝以外のオーブンレンジも選べるとしたら最高なんですが、残念ながらそこまでの度胸は無いみたいですね(笑)
特に女性の方は機械が苦手な人が多いですから、あの複雑怪奇なオーブンレンジの全ての機能を取説を読んだだけで習得するのは困難ですからこうしたスクールを利用するのも一つの手ですね。
またメーカー側にしても女性は使い慣れた機械を好む傾向が強いですから、スクールで使ったレンジを家庭用に購入してもらえる可能性が大きく上がります。一種の刷り込みですね。石窯ドームの場合は奥様方の口コミから評価が上がりましたが、こうしたタイアップ企画が地味に効いているのかもしれません。
それがろくでもない商品なら困りものですが、調理家電は実際に使てみないと良し悪しを判断するのが難しいだけにこうしたタイアップ企画は私達消費者側に取っても利益になります。
別にABCクッキングスタジオからお金を貰っている訳ではありませんが、石窯ドームの購入でお悩みの皆さんはこうしたスクールに体験入学をしてみるのも一つの手です。カタログを穴が開くほど眺めても分からなかった事が数時間で手に取る様に理解出来るでしょう。
たぶんね(笑)

2013年モデルのスペック一覧
今年は消費税増税の影響でどの家電も春先に売り上げを伸ばした関係か、新型モデルの投入が例年より1か月ほど早くなっています。早い話が生産予定台数を作り切ったと言う事ですね。
そんな訳で実際に店頭に出揃うのは今月末になると思いますが、石窯ドームシリーズも上位モデルは全て2014年モデルが発表になっています。
ただ、プレスリリースを見る限り、2014年モデルは基本的に2013年モデルのリファイン版で目に見える能力差はありません。特に新型の場合は発売直後は非常に割高ですから、実際に皆さんがお買いになるのは2013年モデルが中心になると思います。
また、人気の低価格モデルに関してはこの原稿を書いている時点では何のアナウンスもされていません。去年は低価格モデルが先行して発売され、上位モデルはそれに遅れて発売されましたが今年は逆になります。変ですね。
ひょっとしたら、在庫がダブついているのかもしれませんね。ニヤリ(笑)
色々と愉快な妄想をしながら、底値で買い叩いて手に入れて下さいね(笑)
それと、現在東芝は単機能の電子レンジは発売していません。単機能レンジをお求めの皆さんは他メーカーの商品を当たって下さい。
こちらが上位モデル、と言うか30Lクラスになります。ER-LD10はグレードとしては下位グレードの商品ですね。名前こそ石窯ドームシリーズですが、ウリであるオーブン機能が一段落ちますからね。
ER-LD530とER-LD430はフロントパネルのデザインこそ違いますが完全な兄弟機になります。能力的にはほぼ同じで、違いはER-LD530がコンベクション用のファンが左右反転して回転する事でより焼きムラが低減したと言う事とフロントパネルのデザインだけです。
ただ、実売価格差が1万円あるので微妙な選択になりますね。ER-LD530はバックライト付の反転液晶ですから表示系に高級感がありますし左右反転ファンは焼きムラを若干軽減出来るでしょうが、それだけに1万円余計に払えるかが選択の分かれ道です。
コストパフォーマンス重視の皆さんは迷わずER-LD430をお選びになる方がお得ですが、お財布に余裕がある皆さんはER-LD530をお選びになった方がキッチンの高級感が若干上昇するでしょう(笑)
それと、「オーブンが優秀な石窯ドームシリーズ」はこの2台だけです。ER-LD330は廉価版の位置付けで、オーブン機能に関しては平均的な性能でしかありません。つまり、悪くも無ければ良くもないと言うのが実情です。お菓子作りやパン作りが大好きで噂の石窯ドームが欲しいとおっしゃる皆さんはER-LD530かER-LD430の何れかをお選びになって下さい。
ER-LD530やER-LD430は高すぎる、とおっしゃるのであればそれまでの話です。平凡なオーブンレンジで我慢して下さい。残念ながら、ER-LD330ではER-LD530やER-LD430の様には行きません。
ER-LD330は廉価版の位置付けなんですが、性能的には中途半端で価格的には割高な商品です。ER-LD430とER-LD10では価格差が大きいのでその間を埋めるために無理やり作られた感じですね。
先にお話ししました様にオーブンレンジ自体が良く言えば器用貧乏、悪く言えば中途半端な商品なんですが、その半端なオーブンレンジのさらに中途半端な性能となると魅力はありません。価格的に割高となると尚更ですね。
こうしたどう転んでもベストにはならない物は思い切ってどちらかに舵を切った方が使い勝手が良い物になります。東芝はオーブン機能に舵を切った訳ですから、そのオーブン機能が優秀でなければ敢えて選ぶ意味はありません。
「ER-LD530やER-LD430は高すぎるけど、ER-LD10は安すぎて不安」なーんて中途半端な気持ちでお選びになるとカモられますよ。ER-LD330はそんな優柔不断な皆さんを狙ったトラップですからね(笑)
もう一つ、ER-LD330は設置の際に両サイド2cm開けるか、左を壁に付けて右に4cm開けるかを選べます。つまりトータルで4cm開ければ良いと言う事なんですが、何と言うか、便利なのかどうか微妙な仕様ですね(笑)
仮に左寄せにしても右に空いたスペースは物を詰める事が出来ません。背の低いトレイ等なら置けるかもしれませんが利便性があるのかどうか分からないですね(笑) どういう訳か、全ラインナップの中でER-LD330のみの特徴になります。
ER-LD10はサイズこそ30Lクラスですが能力的には完全に下位グレードの商品になります。スペック表を見ただけだと分かりづらいのですが、オーブン使用時にER-LD530は余熱には5分しかかかりませんがER-LD10は20分ほどかかります。これが目に見えないヒーターの能力差ですね。
ですから、ER-LD10も石窯ドームシリーズには違いありませんが能力的には別物と思って下さい。
とまあ、オーブン能力だけを見るとアレなんですが、電子レンジの能力は上位モデルとほぼ同じです。人数の多いご家庭であまりオーブン調理をしないのであれば30Lの庫内容量はそれなりに魅力です。お値段があまり魅力的でないのが残念ですが30Lクラスの電子レンジをお探しの皆さんには選択肢の一つにはなります。
じっくりと、投げ売りするのを待ちましょうね(笑)
こちらが下位グレードの商品です。すでに能力的に石窯シリーズと何の関係もない平凡なオーブンレンジなんですが、実際に売れているのはこちらになります。
パンが美味しい石窯シリーズとは何だったのでしょうか?(笑)
この辺りに奥様方の本気度が垣間見えますね。「私ぃ、シフォンケーキとか焼いてみたいからぁ…」とか言ってる方に限って、値段を見て選ぶのはこっちなんですよね。「いや、1年間美容院を我慢して千円カットで済ませれば差額でER-LD430が買えますよ」とか言っても聞こえないフリをされちゃうんですよねー(笑)
何と言ってもオーブンレンジの場合は仕込み以外の調理の部分は機械任せになります。ですから、機械の能力=出来上がりの差になりますから、美味しく作りたいなら相応の対価を支払う以外に道はありません。
千円しか払わないのに美容院並のサービスを求めたって無理な相談なのは、奥様方自身が一番よくご存じでしょうにね(笑)
ER-LD8は機能的には全て揃っていますが、能力的には全て凡庸な物です。ある意味お買い得と言えなくはないですが、ハッキリ言って値段通りの性能だと思って下さい。これでピザを焼いても特別に美味しくなったりはしませんよ(笑)
兄弟機であるER-LD7との大きな違いは過熱水蒸気機能の有無ですね。スチームラブな方以外はこちらをお選びになった方がお得でしょう。実際に価格コムではオーブンレンジの売れ筋ランキングの1位になっています。
但し、これでクッキーを焼いても特別に美味くはならないですけど(笑)
結局、この下位グレードの商品と言うのは「人気の石窯ドーム」の名を借りた便乗商品だと思って下さい。ですから実機をご覧になって気に入ったと言うならともかく、「どうやら、石窯ドームと言うのが評判が良いらしい」とか聞きかじっただけでお選びになると損はしませんが特もしません。どれも値段なりの凡庸な商品です。
逆にその事を承知で割り切ってお選びになるのなら、それはそれでアリだと思います。つまり、2万円程度の赤外線センサー付のオーブンレンジと言うくくり方ですね。この価格帯はライバルも強力ですから大したアドバンテージはありませんが、その中では比較的オーブン機能が信用出来る物と言えるかもしれません。
ER-K3は単身者向けの商品ですが、チープな電子レンジ機能と、割とまともなオーブン機能と、このサイズでフラットテーブルだと言うのが大きな特徴です。
ただ、サイズの割には値段が可愛くありませんから、スペースに問題が無いのなら価格帯の近いER-LD7をお選びになった方がお得だと思いますね。コストパフォーマンスならこちらの方がずっと上だと思います。
電子レンジも大は小を兼ねます。一人暮らしに30Lクラスは不要ですが17Lのせいで入らない物が26Lだと余裕で入ってしまいます。当然ですが入らないと温められないですし、ギリギリで入ったとしても加熱ムラが起こるだけです。
同じお求めになるなら少し余裕のある物をお選びになるのがレンジ選びのコツですよ。

型番 | ER-LD530 | ER-LD430 | ER-LD330 | ER-LD10 |
庫内容量(L) | 31 | 31 | 30 | 30 |
レンジ出力(W) (瞬間) | 600(1000) | 600(1000) | 600(1000) | 600(1000) |
オーブン加熱方式 | 2段、コンベクション | 2段、コンベクション | 2段、コンベクション | 2段 |
オーブン最高温度(℃)(瞬間) | 250(350) | 250(350) | 230(300) | 250 |
過熱水蒸気(℃) | ○(300) | ○(300) | ○(300) | ○(250) |
スチーム方式 | タンク式 | タンク式 | タンク式 | タンク式 |
センサー | 8つ目スイング赤外線 | 8つ目スイング赤外線 | スイング赤外線 | スイング赤外線 |
トースト | △(裏返しが必要) | △(裏返しが必要) | △(裏返しが必要) | △(裏返しが必要) |
オートクリーニング | 庫内、脱臭 | 庫内、脱臭 | 庫内、脱臭 | 庫内、脱臭 |
その他 | 2品同時温め、自動メニュー49 | 2品同時温め、自動メニュー49 | 自動メニュー41、選べる設置 | 自動メニュー41 |
サイズ(mm) | 500×465×412 | 500×460×412 | 500×450×388 | 500×416×388 |
消費電力(W) | 1430 | 1430 | 1430 | 1430 |
型番 | ER-LD8 | ER-LD7 | ER-K3 |
庫内容量(L) | 26 | 26 | 17 |
レンジ出力(W) (瞬間) | 600(1000) | 600(1000) | 600(850) |
オーブン加熱方式 | 1段、片面グリル | 1段、片面グリル | 1段、片面グリル |
オーブン最高温度(℃)(瞬間) | 200(250) | 200(250) | 200(250) |
過熱水蒸気 | ○ | × | × |
スチーム方式 | タンク式 | 角皿式 | なし |
センサー | 赤外線 | 赤外線 | オーブン用のみ |
トースト | △(裏返しが必要) | △(裏返しが必要) | △(裏返しが必要) |
オートクリーニング | 庫内、脱臭 | 脱臭 | 脱臭 |
その他 | 自動メニュー41 | 自動メニュー31 | 自動メニュー6 |
サイズ(mm) | 480×400×348 | 480×400×348 | 450×362×298 |
消費電力(W) | 1390 | 1390 | 1400 |
2014年モデルの速報
まあ、タイトルこそ速報なんですが一部の商品は既に発売になっていますから遅報と言った方が良いかもしれませんね(笑)
ただ、2014年モデルは型番とデザインが若干変わっただけで中身は同じっぽいです。自動調理のメニューが若干増えたぐらいですかね? この記事の型番だけ挿げ替えてもきっと分からないでしょう(笑)
ただ、これはどのメーカーも似た様な物ですから東芝だけが悪い訳ではありません。先にお話ししました様にオーブンレンジ自体が枯れ切った技術で作られていますから、新型になったからと言って劇的に向上する訳ではありません。極端な話、2年落ちの商品であっても性能的は大差ありません。格安ならそちらの方がずっとお得ですよ。
一つ気がかりなのは26L以下の下位グレード商品についてアナウンスが無い事ですね。モデルチェンジしないと言う事は無いのでしょうが、例年だと下位が先で上位が続いていたのですが今年はちょっと違うみたいですね。
新型モデルは旧型のER-LD530、ER-LD430、ER-LD330、ER-LD10に対応する形でER-MD500、ER-MD400、ER-MD300、ER-MD100と言う具合に数字を整理して来ました。200が無いのですが昔はあったのでしょうか? 300と100とでは能力差が大きいので出来ればベーシックモデルとして200クラスが欲しい所ですね。
とまあ、簡単に触れてみましたが、実際にモデルチェンジの内容も簡単な物です(笑)
お求めになるなら値段のこなれた2013年モデルをお選びになると良いでしょう。

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