始めに
ここからはいつも通り各メーカー別の特徴を見て行きます。
とは言え、この原稿を書いてるのはゴールデンウィーク直前ですからもうじき新型が出始める頃合いになります。つまり、これからご紹介する商品の大半はじきに型落ちになってしまうと言う事ですね(笑)
実際に一部の機種では2014年モデルが発表されています。店頭に並ぶのは6月以降でしょうが、夏には新しい記事に書き直さなければならないでしょうね。
そんな訳で、商品紹介としては盆や正月の寿司屋の出前並の遅さなんですが、実際に多くの皆さんがお求めになるのは値段がこなれてお買い得感の高い型落ちモデルになりますから、早くはないですが遅すぎると言う事もないでしょう。
特に今春は消費税増税の駆け込み需要の影響で高止まりになっていた家電相場も、これから夏を迎えるに従ってどんどん値下がりして行くと思います。
メディアの煽りに乗せられずに3月にじっと我慢して来た皆さん、さあ収穫の時が訪れました。3月にバカみたいな高値で買わされた皆さんが悔しがる顔を、ニヤニヤしながら楽しみましょう(笑)
2013~4年製パナソニックの電子レンジ・オーブンレンジ
2013年モデルの特徴
始めに
- パナソニックレンジトップ 2014年総合カタログ 価格コム売れ筋ランキング
パナソニックは白物家電の雄だけに電子レンジ・オーブンレンジでも高いシェアを握っています。特に最近はかつての雄だったシャープが凋落気味なので、ダメ押しとばかりに大量の商品を投入してシェアの独占を図ってます。
パナソニックのレンジ全般に言えるのは目立った特徴はないのですが、装備のバランスが良くて比較的コストパフォーマンスが高いのが特徴です。ですから、選ぶ側から見るとオーソドックスな機能が比較的手ごろな値段で手に入るのが大きな魅力ですね。逆に、突出した能力はありませんから個別の機能にこだわりがある皆さんには貧相に見えるかもしれません。
また、不具合の報告が多いのがパナソニックの難点です。パナソニックは工場を焼き討ちされても中国ラブの姿勢を崩さないぐらい中国大好きなメーカーで、10万円の高級モデルまで中国で生産しています。マグネトロンに基盤に成型不良と、「パナソニック レンジ エラーコード」で検索するとまるで宝の山を掘り当てたみたいにザクザク出て来ます(笑)
確かにカタログスペックだけを見ればコストパフォーマンスは高いのですが、特に機種ごとの当たり外れが多いみたいなので、ハズレの機種を選ぶと高い確率でカスを引く事になります。検査係の中国人は昼寝でもしているのか、初期不良交換したら交換した物も不良だったという話が少なくありません。
と言う具合に、パナソニックの電子レンジ・オーブンレンジは非常に投機性の高い買い物になります。FXで痛い目に遭った皆さんは手を出さない方が良いでしょう(笑)

光ヒーター(笑)
「光ヒーター」なんて言うと何か特別な物の様に思う方もいらっしゃるでしょうが、単なる赤外線ヒーターの事で今まで物と同じです。どこかの政党みたいに名前だけ変えただけですね(笑)
この時点でパナソニックと言うメーカーが皆さんの事をどう考えているか良く分かりますね。パナソニックは奥様方を「ちょっと名前さえ変えておけば高性能だと思うバカ」だと考えていると言う事です。女は機械に弱いから区別なんてつかないだろうとでも思っているのでしょうね。じゃないとこんな幼稚園児みたいな事は出来ません。
パナソニックにしろシャープにしろ、どうも在阪の家電メーカーはこの手の「本人だけちょっとした方便と思っているタチの悪いウソ」をつく事が多いですね。信用は商取引の基本なんですが彼らにはそんな概念など存在しないのでしょう。あ、そう言えば高田社長も大阪の私立大学を出ていましたね(笑)
まあ、先にお話しした通りオーブンなんて紀元前に発明された調理器具ですし、オーブン関係でパナソニックの独自技術なんてないですから名前だけでも立派な物にしてアピールしたいと言う気持ちは分からなくはないですが、どこぞの国のスター様みたいにシークレットブーツを履いてまで見てくれだけを整えるやり方と言うのは好きになれませんね。
聞いた事の無い三流メーカーならともかく、曲がりなりにも世界中で名の知れた家電メーカーなんですから、こんな夜店の景品みたいな幼稚な宣伝文句からはいい加減に卒業して欲しい物ですね(笑)

3Dアンテナ
これは赤外線センサーとマグネトロンアンテナが連動して、庫内の特定の部分にマイクロ波を集中するシステムです。赤外線センサーが食材の位置と状態をスキャンして、食材が置かれた所だけにマイクロ波を照射して加熱すると言う物ですね。他メーカーでも同様のシステムが採用されています。
一番のメリットは加熱効率が上がって省エネ化と加熱ムラが少なくなる事ですね。こうした精度の高いアクティブなセンサー連動型のレンジ機能は高級モデルのみに搭載されていますが、これは庫内の大型化によって加熱ムラやエネルギーロスが増える事に対する対策だと考えて下さい。
大型モデルでも小型モデルでも、電子レンジ機能に限って見れはどちらも1000W程度の出力になっています。ですから、幾皿もの食材を同時に加熱する大型モデルは電子レンジ機能に関しても火力不足になりがちで、そのためにこうしたギミックを搭載しています。
機能としては優秀な物なんですが、必ずしも小型モデルに対してアドバンテージがある訳ではありません。庫内の狭い小型モデルはここまで複雑なシステムを搭載せずとも十分な火力を持っているからです。
大型モデルは単価が高く、見た目も立派で多機能ですから高性能だと思われる方が多いのですが、実際は絶対的な火力不足を複雑なギミックを駆使して何とかやりくりしている器用貧乏な商品です。
多機能=高性能ではないと言う事をお忘れにならないで下さいね。

ビストロスピードグリル皿
こちらは仕組みの回でご説明した、マイクロ波を吸収して発熱するトレイの事ですね。トレイにはマイクロ波吸収発熱体と呼ばれる特殊な物質が塗布されていて、これにマイクロ波を照射する事でグリルと同じ様な効果が得られます。こちらも他メーカーでも同様な物が用意されています。
こうして下部グリルをトレイに置き換える事で、フラットな庫内で同時に上下から焼き目が付けられる様になりました。低価格モデルは上部グリルだけですから、この機能に関しては高いお金を払った甲斐があると言う物ですね(笑)
まあ、これだけのために上位のモデルを選ぶと言うのもアレなんですが、魚を焼く時など途中で食材を裏返したりする必要が無くなりますのであると便利には違いありません。中級クラス以上のオーブンレンジに装備されていますから、この機能を最低ラインに考えて商品選択をするのも一つの手ですね。
逆に、ハンバーグを焼く時に焼き色はフライパンを使って付けると言う奥様方や、魚はガスグリルで焼くと言う奥様方にとってはあまり必要ない機能になります。上面グリルのみの商品ですと1万円程度お安くなりますから、節約出来るところはしっかりと節約してヘソクリの額を増やしましょう(笑)

スピードスチーム
名前だけ聞くと何かスペシャルな機能に聞こえますが、実際は写真の様に単にトレイをスチームの吹き出し口に近づけただけですね。ハッキリ言いますが名前を付けるほどの機能ではありません(笑)
要は、こうして庫内を区切ってやる事で熱の回りが早くなり調理時間を短縮出来るよと言う事ですね。ですから、別にパナソニックのスチーム機能が優れている訳ではありません。ある意味合理的なやり方には違いないのですが、トレイを上段に上げる事で食材の高さを選ぶようになります。
食材や食器が上段に収まらなければ中段まで下げるしかなく、そうなれば調理時間は伸びてしまいます。つまり「スピード」では無くなってしまいますね(笑)
オーブンレンジも炊飯器と同じで、家庭用100V電源と言う大きな足枷を履かされた中で各メーカーは小さな工夫を積み上げて差別化を図っています。が、絶対的な火力不足だけはどうしようもなく、こうした機能と言うより「主婦の裏ワザ」みたいな事まで仰々しい名前を付けてアピールしている次第です。
まあ、情けないと言うのはメーカーの技術者の皆さんには酷な話なんですが、トレイの上げ下げだけで鬼の首を取った様に自慢されても奥様方は困るでしょう。
この程度で良いなら、主婦モニターを雇った方がよほど良い物が出来ると思いますよ(笑)

2品同時あたため

こちらも他メーカーで同様の機能があります。メーカーを問わずに高級モデルは高性能のセンサーを装備していますから、電子レンジ機能を使って異なる食材を同時に加熱する事が出来ます。
ただ、あまり過度な期待はしない方が良いですね。高級機と言えども、1品だけ温める際にも加熱ムラはあります。それは、高級モデルは全て多機能レンジですから設計に余裕がないからですね。どれだけ高性能なパーツを使っていても配置が最適化されていないと十分な力は発揮出来ないのです。
以前は結構高性能な単機能レンジが販売されていたのですが、最近では単機能レンジは安価な物ばかりになりました。赤外線のスイングサーチセンサーと回転式のアンテナが付いたマグネトロンを搭載した大型で高性能な単機能レンジを売り出せば、高価な多機能レンジに懲りた奥様方にウケそうな気がするのですがダメなんでしょうかね?
「沢山付いている方が偉い」なんてのはバブル時代の価値観です。「必要な物を必要なだけ、しかもなるべくリーズナブルで高品質に」、中国製のイケアがあれだけ売れているのですから、国内メーカーの高性能単機能レンジだったら売れそうな気がするのですがねぇ。
オーブンレンジの使用頻度の9割以上は電子レンジ機能でしょうから、ここが弱いと買った後で後悔する事になります。シャープのヘルシオの評判が悪いのはこのためですね。多くの場合、盆と正月にしか使わないスチーム機能よりも電子レンジ機能の充実に力を入れて欲しいですね。
2品同時調理
こちらもメーカー問わずに大型モデルに搭載されている機能です。基本的に上段のグリル調理がメインになりますが、下部グリルをマイクロ波で加熱する関係から「上段はグリル、下段はレンジ」と言う使い方が出来ます。
正直言ってこんな使い方をすると下部グリルが発熱ムラを起こすと思いますが、食材の裏側を念入りにチェックする奥様は少ないらしくてあまり問題にはなっていません。また、下段の食材も加熱が不安定になったりするケースがあると思うのですが、そうした話もあまり出て来ませんね。
ま、皿に盛り付ければ分かりませんからね(笑)
そんな訳で、限られたケースにはそれなりに重宝する機能なんですが、こちらも機能と言うより裏ワザに近いやり方で一見便利に見えるでしょうが「美味しく調理する」と言う視点に立てば下策になります。特に下段はセンサーが効きませんし、仮に過加熱になったとしても下段だけマイクロ波を止める事は出来ませんから、一旦調理を中止して下段の食材だけ取り出すしかありません。
つまり、下段の食材と上段の下部グリルの加熱は行き当たりばったりの運任せの調理になると言う事ですね。メーカーもそんな事は百も承知ですが、そうした不都合な事実については一切口を開きません。
白物家電、特に調理家電に関してはこの手の虫の良い話が大量に出て来ます。メーカーのいう事を鵜呑みにしていると財布とゴミ箱がいくつあっても足らなくなります。
特にメーカーが「楽」とか「便利」とか言い出したら気を付けて下さい。
必ずウラがありますからね(笑)

オーブン機能
パナソニックのオーブン機能は平均的な物で、良くもありませんが悪くもありません。東芝の様にオーブン機能に力を入れているとか日立の様にベーカリー機能が付いているとかの特徴は無く、スペック的にも上位モデルにコンベクション機能が付いているくらいで特筆すべき事はありません。
ですから、オーブン機能を重視されるなら他メーカーをお選びになると良いでしょう。
ただ、能力的には一通りの調理をこなせるので特にこだわりが無ければ不自由を感じる事もないと思います。グラタンとかクッキーとか、その程度の物なら普通にこなせますのでご安心を(笑)
これはスチームオーブン機能に関しても同じですね。パナソニックはトヨタと同じ80点主義のメーカーですから、技術的に突出した物は作りませんし作れません。他所のメーカーが開発した機能をちゃっかり真似してバランス良くまとめるのに長けています。
そういう意味ではアタリもない代わりにハズレも少ないのが特徴ですね。特にこのオーブンレンジに関してはこれがそのまま当てはまります。どの機能を取り上げても平均点ばかりなんですが、白物家電はあまり前衛に走られても困るのでこれぐらいがちょうど良いのかもしれませんね(笑)

オートクリーン機能
こちらも他メーカーでも同様の機能が搭載されていますね。特にスチームオーブンはスチームクリーナーと同じく、スチームで庫内の汚れを浮き上がらせてくれますからお掃除は楽になりますね。ただ、びしょびしょに濡れた庫内の拭き掃除は必須になりますが(笑)
臭いに関してもグリルで空焼きにする事で大幅に軽減出来ます。が、最終的には奥様方のお手入れ一つですね。オートクリーニングとは自動的に掃除をしてくれる機能ではなく、お手入れの負担を軽減してくれる機能に過ぎません。魚臭いクッキーを食べたくなければ丁寧なお手入れは必須ですからお間違い無い様に(笑)
また、一部のモデルではスチーム使用によるスケール対策として「クエン酸洗浄モード」なる物も搭載されています。まあ、スケールに関しては電気ポットやスチームオーブンでお使いになる水は浄水器を通す事で大幅に軽減出来ますから、そうしたやり方を併用されると良いでしょう。
こうしたクリーニング機構は便利なんですが、一番重要なのは庫内の内壁の性質です。多くのモデルがフッ素樹脂加工を施されて汚れが取れやすくはなっていますが、様々な理由で内壁がざらついていたり細かい凹凸があったりすると布巾で拭いてもきれいに落ちない場合があります。
お掃除しづらいデザインの物をお買いになると後になって後悔する事になります。店頭で実機を確認される場合はただ見るだけではなく、必ず庫内のあちこちを手で触って見て下さい。
何と言っても掃除するのは奥様方自身なんですから、入念にチェックして下さいね(笑)

上部廃熱
こちらも他メーカーと共通なんですが、上部に10cm程度の隙間を開けておけばオーブンレンジの側面と背面は隙間を開けなくても設置可能です。この仕様はパナソニック、東芝なんかで共通になっています。日立とシャープは上部と側面にスペースが必要になっています。
これに限らず、オーブンレンジ購入の最大の障壁は設置場所の問題になります。いくら予算があってもスペースだけは簡単に買えないので、設置場所を確保出来ずに意中の商品を諦める方も少なくありません。特にレンジ機能は使用頻度が高いですから使い勝手の良い場所に設置しないと苦労する事になります。
ともすれば見落とされがちなんですが、お求めになる商品のサイズとご家庭で用意出来るスペースとのすり合わせはキチンと行って下さいね。

カラータッチ液晶
これも多くのメーカーが採用していますが、タッチ式液晶パネルの操作系ですね。見た目がきれいですし、一見すると使いやすそうに見えるのですが、実はどのメーカーの物もお使いになっている皆さんにはあまり評判が良くありません(笑)
皆さん口々におっしゃるのは「ごちゃごちゃしていてややこしい」とか「何度もボタンを押さないといけないので面倒」とかの声が多いですね。特にレシピ指定で自動調理する際に、肝心のレシピの検索機能がショボいので何度もボタンを押して探さないといけないのが不評ですね。
まあ、こう言うのは多機能モデルならでの不満なんでしょうが、残念ながら省スペース最優先で設計されていますから操作系が割を食うのは仕方ないですね。もっと本体サイズが大きくても良いなら使い勝手の良い操作系にデザイン出来るでしょうが、蓋と一体型の操作パネルでは限界があります。
メーカー側もスマホに対応したりとか色々とやっていますが、この問題に関しては音声認識でも導入しないと解決は出来ないと思いますね。残念ながら諦めて下さい(笑)

2013年モデルのスペック一覧
現在パナソニックのオーブンレンジは上位モデルのビストロシリーズと、旧ナショナルブランドの流れを継ぐ普及価格モデルのエレックシリーズとがあります。かつてはエレックと言えば高級レンジの代名詞だったのですが、これも時代の流れですね。
両者の一番の違いは値段なんですが、ビストロシリーズは30Lクラスがメインで26Lクラスは1台だけです。逆にエレックシリーズは26~15Lと中から小型の物と言う具合に住み分けています。正直言ってこんな事をするのはあまり意味が無いと思うのですが、パナソニックらしいお役所的な内部事情でもあるのでしょう(笑)
それではまず、上位モデルのビストロシリーズから見て行きましょう。モデルの数に比して中身の差があまりないので30Lクラスをひとまとめにしてみました。
見た目は結構違うのですが、基本的にこの4台は兄弟機ですね。BS1000と900、BS800と700は完全な兄弟機です。BS900からオーブンの出力とセンサーやクリーニング機構の性能が少しだけ上がって、自動メニューが増えて液晶パネルの表示が見やすくなっていますね。ただ、どれも表層的な物ばかりなので調理をする点ではBS1000もBS700も大した違いはないと思います。
一応、オーブンの最高温度が300℃と250℃と50℃ほど違うのですが、この最高温度を維持出来るのは5分だけで、5分後にはどれも最高230℃までしか維持出来ません。オーブンで5分間だけの調理メニューがあるとするなら別ですが、ハッキリ言って実質的な差はほとんど無いと考える方が良いでしょう。単に値段を釣り上げるための方便ですね(笑)
それでも火力が物を言う調理メニューなら5分と言えども一定の効用はありますし多少調理時間も早くなるのですが、価格差を考えるとコストパフォーマンスは高いとは言えませんね。予算が潤沢にあるのなら別ですが無理して上位モデルを選ぶ理由は無いと思います。
ですから、純粋にBS1000はBS700の豪華版と考えて良いと思います。一見すると別物に見えますが、BS700の機能を強化した物がBS1000であって基本的な能力はほぼ同じです。フロントパネル以外のフレーム部分も共用していると思いますのでオーブンレンジの能力としては価格差ほどの違いはありません。
センサーの性能差は電子レンジ調理時の加熱ムラの差に直結して来ますが、どちらもセンサーが首を振ってスキャンするスイングタイプですから大した差にはならないと思います。どうしても高性能センサーが欲しいとおっしゃるなら6月に発売になる2014年モデルをお買いになると良いでしょう。そちらは庫内を64分割して瞬時にスキャンするタイプになります。
では新型だったら加熱ムラが無くなるのかと言うと、そんな事もありません。8眼センサーより若干改善する程度でしょうね。まあ、「64眼センサー」とか言ってもそんなもんですよ(笑)
それ以外は自動メニューの数と自動クリーニングに天井部分が含まれるかどうかだけの差です。自動メニューが豊富だと一見楽そうに見えるのですが、検索機能が低レベルなので欲しいメニューを呼び出すのに時間がかかって奥様方には不評です。
大体、レンジが自動でやってくれるのは加熱だけですから、下ごしらえや味付けは奥様方がおやりにならなければないません。大量の調理メニューがあったとしてもそのレシピを全部頭に叩き込まないとスムーズに調理には移れませんから、結局使えるメニューは限られて来ます。
「いつか使うかもしれないからメニューは多い方が…」なーんて事をおっしゃる方が多いのですが、「いつか使う」は結局使わず仕舞に終わる事の方が多いです。使わない物に大金を払うのはメーカーと小売りを喜ばせるだけですから、本当にその機能が必要かどうかよく考えてからお選びになって下さい。
実機をご覧になって直感的に「面倒臭そう」だと思ったら素直にお止めになる事です。何せ、女の感ほど鋭い物はないですからね(笑)
お次は26Lクラスのオーブンレンジです。
BS600だけビストロシリーズで他の2台はエレックシリーズです。両シリーズの違いはグリルが両面加熱なのがビストロシリーズで片面なのがエレックシリーズと言う違いになっています。ですから、オーブン機能を重視される方はビストロシリーズからお選びになると良いでしょう。逆に、電子レンジメインならリーズナブルなエレックシリーズで十分でしょう。
注意して頂きたいのはこの26Lクラスからはレンジ本体の上面以外に両側面にも4.5cm程度の空きスペースが必要になります。ですから、左右合わせると幅620mm程度の設置スペースが必要になりますね。高さこそないですが30Lクラスより幅は必要になるので注意して下さい。
さて、30Lクラスに比べると装備面では若干見劣りしますが、オーブンレンジの中で一番売れているのがこの20L台の商品です。サイズ的にも高さが無い分設置が楽ですし、価格的にも3万円前後からとリーズナブルですので電子レンジメインでプラスアルファとしてオーブン機能をお望みならこのクラスで十分だと思います。
逆に、凝ったオーブン料理をお望みの奥様方や味を第一にお考えの皆さんは値は張りますが30Lクラスの物をお求めください。このクラスはコスト優先に作られていますからスペック値通りの能力を発揮するとは限りません。また、このクラスは大半が中国生産ですから個体差も少なくないです。
現在の家電製品で安くて良い物はありません。安い物は値段なりの性能しかありません。ですから、出費を抑えるためには求める機能を絞って選択するしかありません。必要な機能を必要なだけ搭載したモデルを選択する事が最も賢いお買い物になります。変にスケベ心を出すと酷いしっぺ返しが待ってますよ(笑)
この3台も微妙に仕様が異なりますが基本的には兄弟機になります。一つ気になるのは3台とも奥行きのサイズが異なる事ですね。何でこんな無駄な事をするのか理解出来ませんが、このせいで共用出来るパーツが大幅に少なくなります。逆に言うと、それぞれフレームは1点物に近くなるために商品管理が煩雑になります。
まあ、管理がしっかりしていれば問題ないのですが、残念ながらM266は底板のプレス成型が難があるみたいで、明らかに成型不良の底板をそのまま使用した粗悪な商品が大量に出回っています。写真を見る限りリコールレベルの酷さなんですが、パナソニックは交換に応じるだけで積極的に回収しようとはしません。
きっとパナソニックでは社長よりも中国工場の検査係の方が偉いのでしょう。私が社長だったらM266の生産ラインの検査係は全員クビですね。ミスではなく仕事をしていなかったとしか考えられないレベルの酷さです。
とまあ、チャイナクォリティーが炸裂しているのが現在のパナソニックの家電製品に共通している問題点です。装備と値段を考えると魅力的に見えるでしょうが、現在のパナソニックの家電製品の場合はエントリー機であろうとハイエンド機であろうと大半が中国生産です。確実に一定以上のレベルで粗悪品が混ざっていると考える方が無難ですね。カタログの美辞麗句ばかりに惑わされず、その辺りも頭の片隅に入れておいて下さいね。
さて、話を戻しましょう。予算を別にしてこの3台の内どれを選べば良いかと言う話なんですが、両面グリルがお望みならBS600、スチームオーブンがお望みならS266、どちらも不要ならM266をお選びになると良いと思います。BS600とM266とは1万円程度の価格差がありますから横一列で比較するのは無理があるのですが、基本設計は同じでしょうから追加機能で選択されると良いでしょう。
ちなみに、アマゾンではBS600が、価格コムではM266が一番の売れ筋になっています。両者は微妙に客層が異なりますので特徴が出ていて面白いですね。
ラストは23L以下の小型モデルです。
こちらは容量的に一人暮らし向けの商品になります。特に15Lの物は以前に「トースターレンジ」なんて呼ばれていた物の系譜に属していますね。一応、角皿式のスチーム機能は付いてはいますが、ほとんどお使いになる人はいないのではないかと思います。「グラタンが作れる電子レンジ」とお考えになった方が良いでしょう。
そんな訳で「オーブンレンジ」として見るならかなり貧弱な装備になるのですが、ヒーターの付いた電子レンジと考えればお値段も手頃ですし、スペース的にも小型の冷蔵庫の上に乗るサイズです。ただ、NE-C236以外はレンジはターンテーブル式になりますから、ちょっと大きめのお弁当を温めると角が引っかかって空回りする事がありますから注意が必要です。
スーパーやコンビニの弁当をお家で温める機会が多い方は、ちょっと頑張ってNE-C236以上のモデルをお選びになる方が良いかもしれませんね。そちらはフラットテーブルですから食材を回転させる必要がありません。オーブン機能は使わないとしてもフラットテーブル式の方が温めに関してはストレスは溜まりません。お財布とよく相談してお決め下さい(笑)
NE-C236は26LクラスのNE-M266をコンパクトにした様な仕様になっています。ただ、実売価格では差が無いですしNE-M266は赤外線センサーを搭載していますから、設置スペースに問題がないならNE-M266をお選びになる方が満足度は高いでしょう。正直言って、蒸気センサーはあまり役に立たないですからね(笑)
NE-M156とNE-T156との大きな違いはスチーム機能の有無です。まあ、角皿式スチームですから蒸し調理しか出来ませんが、茶わん蒸しがお好きな方はNE-M156をお選びになった方が良いかもしれません。
逆に、オーブンが必要ないなら単機能電子レンジのNE-EH226で十分です。蒸気センサーでターンテーブル式と言う20年以上前と変わらない仕様なのが残念ですが、一人暮らしだと特に不満は出ないでしょう。電子レンジに関しては有ると無いとの差が一番大きく、細かな仕様に関してはそれほど気にならない物です。安いので良いですから1台用意しましょう。

型番 | NE-BS1000 | NE-BS900 | NE-BS800 | NE-BS700 |
庫内容量(L) | 30 | 30 | 30 | 30 |
レンジ出力(W) (瞬間) | 700(1000) | 700(1000) | 700(1000) | 700(1000) |
オーブン加熱方式 | 2段、コンベクション | 2段、コンベクション | 2段、コンベクション | 2段、コンベクション |
オーブン最高温度(℃)(瞬間) | 230(300) | 230(300) | 230(250) | 230(250) |
過熱水蒸気 | ○ | ○ | ○ | ○ |
スチーム方式 | タンク式 | タンク式 | タンク式 | タンク式 |
センサー | 8眼スイング赤外線 | 8眼スイング赤外線 | スイング赤外線 | スイング赤外線 |
トースト | ○ | ○ | ○ | ○ |
オートクリーニング | 庫内、天井、脱臭、クエン酸 | 庫内、天井、脱臭、クエン酸 | 庫内、脱臭、クエン酸 | 庫内、脱臭、クエン酸 |
その他 | 2品同時温め、自動メニュー367 | 2品同時温め、自動メニュー145 | 自動メニュー103 | 自動メニュー92 |
サイズ(mm) | 494×435×390 | 494×435×390 | 494×444×390 | 494×444×390 |
消費電力(W) | 1400 | 1400 | 1400 | 1400 |
型番 | NE-BS600 | NE-S266 | NE-M266 |
庫内容量(L) | 26 | 26 | 26 |
レンジ出力(W) (瞬間) | 600(1000) | 600(1000) | 600(1000) |
オーブン加熱方式 | 1段、両面グリル | 1段、片面グリル | 1段、片面グリル |
オーブン最高温度(℃)(瞬間) | 210(250) | 210(250) | 210(250) |
過熱水蒸気 | ○ | ○ | × |
スチーム方式 | タンク式 | タンク式 | 角皿式 |
センサー | スイング赤外線 | スイング赤外線 | スイング赤外線 |
トースト | △(裏返しが必要) | △(裏返しが必要) | △(裏返しが必要) |
オートクリーニング | 庫内、脱臭 | 庫内、脱臭 | 脱臭 |
その他 | 自動メニュー50 | 自動メニュー44 | 自動メニュー32 |
サイズ(mm) | 529×400×329 | 529×400×340 | 529×400×335 |
消費電力(W) | 1430 | 1430 | 1430 |
型番 | NE-C236 | NE-M156 | NE-T156 | NE-EH226 |
庫内容量(L) | 23 | 15 | 15 | 22 |
レンジ出力(W) (瞬間) | 600(1000) | 500(950) | 500(900) | 850 |
オーブン加熱方式 | 1段、片面グリル | 1段 | 1段 | なし |
オーブン最高温度(℃)(瞬間) | 210(250) | 200(230) | 200(230) | なし |
過熱水蒸気 | × | × | × | × |
スチーム方式 | 角皿式 | 角皿式 | なし | なし |
センサー | 蒸気 | 重量 | 重量 | 蒸気 |
トースト | △(裏返しが必要) | ○ | ○ | × |
オートクリーニング | 脱臭 | 脱臭 | 脱臭 | なし |
その他 | 自動メニュー34 | 自動メニュー21 | 自動メニュー19 | 単機能レンジ |
サイズ(mm) | 483×396×310 | 455×352×293 | 455×352×293 | 488×368×279 |
消費電力(W) | 1430 | 1430 | 1400 | 1320 |
2014年モデルの速報
今頃2013年モデルの話をしながら速報もクソもないのですが、6月に発売になるビストロシリーズの新型NE-BS1100、NE-BS901、NE-BS801とスチームエレックの新型NE-SC301の詳細が発表になりました。全機種出揃ったら改めて2014年モデルの特集をしますが、取りあえず概略だけお話しする事にしましょう。
ビストロシリーズの新型は上位モデルのセンサーの精度が上がったくらいで全体的にほとんど変化はありません。型番の数字を見れば分かる様に完全なマイナーチェンジですね。ですから敢えて新型を選ぶ理由は見つかりませんね。お求めになるなら型落ちになる現行モデルを中心にお考えになると良いと思います。
ただ、スチームエレックは現行の26Lから30Lになり、オーブンの最高温度も300℃になっています。エレックシリーズですから片面グリルなんですが、それ以外の能力に関してはビストロシリーズ上位に匹敵しますね。シリーズ全体の詳細がまだ分からないので立ち位置は不明ですが、エレックシリーズは少しラインナップに変化があるかもしれません。
何れにせよ3月には暴騰していた価格も5月に入って落ち着きを取り戻し、新型の発売が近づくにつれて緩やかな右下がりの曲線を描き始めています。恐らく7月頃には底値になると思いますが、今年は増税前の駆け込み需要で3月に大量に商品を捌いていますから生産調整をしていると思われます。
場合によっては予想以上に早くディスコンになる可能性がありますから、6月に入ったら価格変動には注意しておいて下さい。早めに在庫切れになるかも知れませんからね。

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