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電子レンジ・オーブンレンジその2。電子レンジの仕組み
2014/04/17 18:29 画像表示

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始めに
  1. 今でこそ数千円で買える安価な電子レンジも、かつては主婦の憧れである三種の神器に数えられた事もある調理家電でした。何せボタン一つで温めに解凍、冷凍食品を使えば包丁を持たずにおかずが作れる便利な機械ですからね。

  2. 本音を言うと、出来る事なら全部電子レンジで済ませたいなんて思ってらっしゃる奥様方も多いのではないでしょうか(笑)

  3. そんな訳で、電子レンジは非常に便利な調理家電に違いないのですが、マイクロ波と呼ばれる電磁波を使う特殊な加熱方法を使いますのでいささか癖がある機械です。

  4. そこで、今回は電子レンジの加熱の仕組みと商品選びの重要な要素の一つのセンサー類を中心にお話しします。

  5. ちょっと小難しい話もまじりますが、お使いになるのは奥様方自身ですから安全にお使いになる方法と商品選びのポイントだけはしっかり押さえておいて下さいね。


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電子レンジの仕組み 始めに
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  1. 電子レンジの仕組みで覚えておかなければならない事は大きく分けて2つあります。1つは加熱の仕組みですね。加熱はマイクロ波を照射して行いますが、マイクロ波と言うのは平たく言うと電磁波の事ですからきちんと理解しておかないと健康被害に繋がりかねません。

  2. 実際に海外では無知か故意かは知りませんが、赤ちゃんを電子レンジに入れて死なせた例があります。「何だか良く分からないけど、物が温かくなる」なんて感覚だけでお使いになっていると、最終的には皆さん自身の身に災難が降りかかって来ます。

  3. 電子レンジは使い方一つで人を殺せる家電製品です。正しい知識を身に付けておきましょう。

  4. もう1つはセンサーの仕組みと特徴ですね。電子レンジには調理が終わった事を検知するセンサーが搭載されていますが、このセンサーには色々なタイプがあり、それぞれに得手不得手があります。このセンサーを選んだら失敗と言うのもありませんが、逆にこれさえ選べばOKと言う物もありません。

  5. それぞれのセンサーの特徴を知る事で加熱不足や過加熱を減らす事が出来ます。これは皆さんが加熱の時にお使いになる食器等とも大きく関わって来ますので、この機会に覚えておかれると良いでしょう。

  6. 「レンジでチンする」と言うのは簡単ですが、上手く解凍したり適温で温めるのは結構難しいのですよ(笑)

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加熱の仕組み
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  1. 毎度チープな図表で申し訳ないのですが、私は絵心が無いので辛抱して下さい(笑)

  2. 前回お話しした様に電子レンジにはマグネトロンと言う真空管が搭載されていて、これがマイクロ波を作り出します。マイクロ波と言うのは極超短波の事で、皆さんお使いの携帯電話や無線LAN等に使われる電波と近い周波数帯の物です。ですから、たまに干渉して悪さをします(笑)

  3. マイクロ波は電波ですから電子レンジ内部の小さなアンテナから庫内へ向けて照射されます。照射されたマイクロ波は図の様に金属部に当たると反射して、水分を含まないガラスやプラスチック等はすり抜けて、水分を含んだ物(正確には電気を通す物)、もしくは水その物に吸収されて反応します。

  4. このマイクロ波の波長は2.45GHzですがこれは水分子の振動数と同じで、それだけ水の分子だけ振動しやすくなります。ですから水にだけ反応して他の物質にはあまり干渉せずに透過してしまう事になります。

  5. 2.45GHzとは1秒間に24億5千万回プラスとマイナスが入れ替わる周期になりますから、水の分子はマイクロ波の照射を受けて同じ数だけ振動する事になります。この分子の激しい振動が熱となり食品中の水分が発熱する事によって食材が加熱されます。まあ、IHの遠い親戚みたいなもんですね(笑)

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マイクロ波の問題点 実は解凍は苦手
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  1. ただ、この便利なマイクロ波にはいくつか欠点があります。

  2. 1つは、マイクロ波は水に対しては反応するのですが純粋な氷には反応しません。つまり、電子レンジは基本的に解凍を苦手としている調理家電なんです。ご存知でしたか?(笑)

  3. 電子レンジで解凍すると必ず解凍ムラが出ますよね? あれはこの性質のためなんです。解凍に関しては自然解凍させるのが一番美味しく解凍出来ます。こちらはベテランの奥様方ならご存知でしょう。

  4. ですから、最近のスチームオーブンレンジの場合は解凍時にマイクロ波とスチームを組み合わせて加熱していますね。とは言え、スチームが加熱出来るのは表層部のみですから解凍ムラが起こる食材の中心部に関しては無力です。結局、電子レンジが解凍が苦手であると言う事には変わりません。

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飛び散る火花
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  1. 2つ目はマイクロ波は金属には反射するのですが、アルミホイル等でシワになった物の場合は火花が出ます。これはシワとシワとの間に小さな落雷が落ちると考えてもらうと分かりやすいでしょう。

  2. これはアルミホイルはもちろん、金糸銀糸を貼った食器や裏にアルミを蒸着した冷凍食品の袋でも同じ事が起きます。場合によっては火花が火種となり、中の食材に火が付く事があります。都内でも分かっているだけで毎年20件近く起きているそうですから、実際はもっと多いでしょう。

  3. 冷凍食品の袋は表から見ればビニールに見えるのですが、裏は薄い金属を貼ってある特殊な加工をしています。こうした物は冷凍食品の袋だけとは限らず、何でもかんでも不用意に電子レンジに入れるのはお止め下さい。レンジでチンしたら家が丸焼けになったと言うのでは笑い話にもなりませんよ(笑)

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電磁波の問題
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  1. 3つ目はやはり電磁波の問題です。マイクロ波は電磁波の一種ですから直接大量に浴びると死んでしまいます。が、電子レンジにはマイクロ波を遮断するシールドが内蔵されているので一応安全には作られています。試しに携帯電話やスマホを電子レンジの中に入れて電話をかけて見て下さい。まずつながらないと思います。仮につながったとしたら、そんな電子レンジは2階の窓から放り投げて下さい。電磁波が漏れてます(笑)

  2. 当然ですが健康被害を出しかねない電子レンジにはお役所のガイドラインがあって、各メーカー共そのガイドラインに則った商品を販売しています。電子機器ですから電磁波を100%遮断するのは難しいですが、通常の使用では安全な範囲に収まるよう設計されています。設計上はね(笑)

  3. ウチのブログを読み慣れてる皆さんは、それが空気清浄機のオゾンにしろ掃除機の排気にしろ、メーカーは目に見えない物に関してどれだけいい加減なのか良くご存じだと思います。実際に測定器で家の電子レンジの電磁波を測ったら、規定より強い電磁波が出ていたなんて事も少なくありません。

  4. それがニュースにならないのは一般家庭には電磁波の測定器がないからですね。一家に一台常備されるようになったら顔が真っ青になるメーカーもいるでしょう(笑)

  5. ですから安全策として電子レンジの作動中は1m以上離れておく事をお勧めします。これだけ離れていると多少漏れていても影響はほぼ無くなります。

  6. 間違ってもらっては困るのは電磁波=悪ではありませんよ。電磁波は皆さんがお使いのスマホからも出ていますし、医療用のマイクロ波治療器なんてのもあります。これなんて電子レンジと原理は同じで、手を触れずに患部を温める装置です。電磁波は放射能の類とは違いますからね(笑)

  7. ただ、スマホをお持ちの方は取説を読んでもらうとお分かりになると思いますが、「最低でも10mm以上離してお使い下さい」と書かれています。耳に当てる電話機なのに難儀な話なんですが、それ以上近づけるとガイドラインを超える量の電磁波が脳に照射されるからでしょう。

  8. 電磁波と健康に関しては総務省の電波利用ホームページをご覧下さい。

  9. 余談になりますが、通信用のアンテナ工事を専門にしている電気屋から聞いた話ですが、マイクロ波アンテナやパラボラアンテナの工事をしてる職人の家はなぜか女の子ばかり生まれるそうです(笑) これも都市伝説の一つなんでしょうが、電磁波が人体に与える影響についてはまだまだ研究不足でこの先どんな結論を迎えるか分かりません。

  10. アスベストも最初は無害と思われていましたが、後になって深刻な健康被害を引き起こす事が分かりました。分からない物や怪しい物は疑ってかかる、CM一つでスポンサーに都合の悪い事実は報道しなくなるメディアが信用出来ない以上は、それくらい慎重になっても過ぎる事はありませんよ。

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電子レンジのセンサー 蒸気センサー
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  1. 電子レンジ選びの重要な要素がこのセンサーです。センサーには3種類ありそれぞれに得手不得手があります。必ずしも高価なセンサーが優れている訳ではありませんから気を付けて下さいね。

  2. 最も古い形式がこの蒸気センサーです。これは主にシャープによって普及しました。マイクロ波を照射すると水分が発熱しますから必ず蒸気が出ます。そこで、この蒸気を感知するセンサーを搭載すれば加熱の程度を判別出来ると考えた訳ですね。これでワンタッチで自動的に温められる筈でした。計算の上ではね(笑)

  3. ところが、右の図の様にラップを使われると蒸気は漏れませんからいつまで待ってもセンサーは反応しません。結局、ラップが破裂するまで加熱して初めてセンサーが働くと言うトホホな結果に終わりました(笑)

  4. また、ラップをしていない場合でも器の形状にも左右されます。グラタン皿の様に体積の割には口が大きい器の場合は、芯まで温まらなくとも大量の蒸気が出てセンサーが働いてしまいます。逆に、徳利の様に体積の割には口が小さい器の場合は十分に加熱しているのに蒸気の量が少なくて過加熱してしまう欠点があります。

  5. 蒸気センサーは当時としては画期的な物だったのですが、この欠点を補えないために奥様方の不興を買う事になりました。奥様方に嫌われたら調理家電は終わりです。メーカーとしては何としても新しいセンサーを開発するしかありません。

  6. こうして、各メーカーによるボタン一つで適切に温められるセンサーを作る戦いが始まりました(笑)

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重量センサー
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  1. 新たなセンサーに名乗りを上げたのは日立です。蒸気センサー最大の弱点はラップをかけた際の加熱にありましたから、日立の技術者の皆さんはこの点に絞って開発したのだと思います。そうして新たに生み出されたのが重量センサー(圧力センサー)です。

  2. 図の様に重量センサーは乗せられた器と食材の重量を検知して、加熱中に蒸気として宙に吹き出した水分が減った分の重量差を感知して動作するセンサーです。確かにこの方式ならラップで包まれた器でも過熱状態を検知出来ますね。

  3. では日立の大勝利に終わったのかと言うと世の中それほど甘くなく、この重量センサーにも大きな欠点があったのです。それがこちらの図ですね。

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  5. ご覧の通り重量センサーが感知出来るのはあくまでも最初の重量と加熱後の重量の重量差のみです。このため、陶器やガラスの様に重い器に食材を入れた場合は蒸気が出ても全体の重量に比べるとわずかな変化に過ぎず、重量センサーは加熱不十分と判断して過加熱してしまうトホホな結果に終わりました(笑)

  6. そんな訳で、重量センサーのレンジをお使いになる場合は軽量の容器に入れるか、はたまた重い容器を使う時用の設定に指定してやらねばなりません。ちょっと面倒臭くなります。

  7. 日立はこの重量センサーに強い思い入れがあるみたいで、現在も頑なに重量センサーを使い続けています。まあ、このセンサーは日立と同じで融通は利かない所があるのですが、オーブンを使用直後にも電子レンジを使えると言う大きなメリットを持っています。

  8. オーブンの使用頻度が高いご家庭の場合は、頑固な日立の重量センサーをお選びになる方が良いかもしれません。逆に、あまりオーブン機能を使わないご家庭の場合は次の赤外線センサーの方が使い勝手は良いと思います。

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赤外線センサー
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  1. 赤外線センサーは発熱した物から出る赤外線の量を感知する事で加熱の程度を測るセンサーです。赤外線センサーの場合はラップをしていようと石の器に入れようと大きな誤差は出ません。ですから電子レンジ単体であれば一番理想的なセンサーになります。単体ならね(笑)

  2. ところが、赤外線センサーを搭載しているのは中級以上のモデルになり、中級以上のモデルには単体の電子レンジはありません。中級以上のモデルは全てオーブンレンジかスチームオーブンレンジになります。そして、そのオーブン機能を使った場合は、右の図の様に電子レンジは使用不能になってしまうトホホな結果に終わります(笑)

  3. 笑いの神が下りて来たのか、どう転んでもトホホな結果に終わるのが電子レンジのセンサーの宿命なんです(笑)

  4. オーブンを使った後は庫内を十分に冷やさないと電子レンジは使えません。ですから、オーブン機能を多用される奥様方は予め電子レンジを使う工程を終えておかなければならなくなります。それが面倒なら、赤外線センサーを避けて重量センサーをお使いになった方がストレスが溜まらないでしょうね。

  5. と言う具合に、電子レンジのセンサーは全て一長一短があり、これさえ選べば良いと言う物はありません。奥様方のお料理のレパートリーや手順によって向いている物といない物があると言う事です。

  6. この手の調理家電は「〜が出来る」と言う謳い文句に目が行きがちなんですが、一番後悔するのは「〜が出来ない」と言う事柄ですね。高価なオーブンレンジを買って、いざ料理を作り始めて気付いたのでは遅すぎます。

  7. センサーに限らず、オーブンレンジ系はモデルごとに調理の際の色々な制約があります。お求めになる時は必ず取扱説明書を先に読んで注意事項を確認しておいて下さい。

  8. メーカーのパンフレットやHPに載っていない「都合の悪い事実」が書かれていますよ(笑)

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テーブルの種類
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  1. 庫内のテーブルには2種類ありまして、安価なモデルの場合は回転テーブル、中級以上のモデルはフラットテーブルになります。当然ですがフラットテーブルの方が幅的にも高さ的にも大きな器を使えますので有利になります。

  2. 回転テーブルの場合はテーブルより大きな器は使えません。特にコンビニ弁当の様に長方形の物は、庫内に収まってもテーブルが回転する際に引っかかってしまい加熱ムラが起きてしまいます。回転テーブル式の電子レンジをお持ちん皆さんが必ず一度はやらかすトラップですね(笑)

  3. フラットテーブルの場合はマイクロ波の反射を事前に計算してムラ無く当たる反射板を設計したり、アンテナ部分が回転する事で加熱ムラを防いでいます。高級機の場合は赤外線センサーと連動させて、温度が低い部分に強いマイクロ波を当てる高度な加熱システムを持つ物もあります。

  4. このテーブルの場合は選択肢と言うよりも価格帯によって自動的に決められますので、予算の許す限りはフラットテーブルのモデルをお選びになる方が使い勝手が良いでしょう。

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扉の開く向き
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  1. こちらも価格帯でほぼ決まってしまいますが、扉が縦開きと横開きの物があります。縦開きは開いた扉を台の様に使えるメリットがあり、左右の環境も選びませんが、少し高い所に設置する場合は扉が邪魔になって出し入れし辛い短所があります。

  2. 逆に、横開きの場合は高さは選びませんが扉を開く側が出っ張っていたりすると、十分に扉を開く事が出来ずに苦労する事になります。

  3. この設置に関して見落としがちの奥様方が多いのですが、電子レンジ・オーブンレンジの場合は扉の開閉以外にも本体左右と後ろ側にも廃熱のための一定の空きスペースが必要になります。押し入れに物を詰める様な感覚でキッチンに押し込めると故障の確率が上がるだけでなく、場合によっては火災の原因にもなりかねませんから注意して下さい。

  4. 大型のオーブンレンジをお望みの奥様方は、無理やり空きスペースを作るより旦那の尻を叩いて大きなキッチンのあるお家に引っ越す事から始めましょう(笑)

  5. いつになるかは分かりませんが(笑)

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電子レンジの簡単レシピ
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  1. とまあ、一口に電子レンジと言っても色々と覚えておかなければならない事は多いです。小難しい話ばかりで頭が痛くなった奥様方のために、お口直しとして電子レンジを使った簡単レシピのリンクを貼っておきましょう(笑)

  2. クックパッド 電子レンジのレシピ

  3. クックパッド 電子レンジで作れるお菓子のレシピ

  4. クックパッド ガスを使わず簡単料理のレシピ

  5. どうですか、ちっとは続きを読む気力が戻って来ましたか?(笑)

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